
「ヒゲが伸びたら文房具屋で買ったハサミで切る」役者・稲松悠太の真実
役者、モデルとして幅広く活躍する稲松悠太さん。モデルとして活動することになったきっかけや、これからの夢や目標についてお話を伺いました。
口元のヒゲとセクシーな表情が魅力的な稲松さんの、ヒゲに対する意外なこだわりとは。
きっかけは自撮りを嫌々アップしていたInstagram
モデルをはじめたのって実はなりゆきなんです。
2年半くらい前のことですけど、舞台の宣伝のためにインスタをはじめたんです。嫌々自撮りをアップしてたら、カメラマンさんから声をかけていただけて。
はじめて撮っていただいた写真を、カメラマンさんの個展で展示いただけることになって。しかも自分をメインの被写体として使ってくださったんです。
その展示をきっかけに、ほかのカメラマンさんともつながりが増えていって、いろんな作品に関わらせていただけるようになった感じです。
昔から写真を撮られるのってキライだったんですよ。宣材写真とか家族写真、旅行のときに撮る写真とか、すごく苦手意識を持ってました。
自分で写真を撮るのは好きだったんですけど。
でもポートレートという世界をはじめて知ったとき、写真で作品を表現することの楽しさに気づきました。
表現活動自体はすごく好きで、むしろ前に立つよりも裏方の仕事のほうが好きなくらい。PVの監督をしたこともあるんです。
まだまだ未熟なんですけど、最近はフィルムカメラにハマってます。
パソコンが壊れていてデジタルの一眼レフは使えないってのもあるんですけど、はじめてフィルムカメラで撮ったとき、すごく楽しかったんです。
ちゃんと撮れているか現像するまでドキドキですけど、そこが面白いです。
今ってパソコンがなくても、カメラ屋さんにフィルムを持っていけば、QRコードで写真をスマホに保存できるので便利ですよね。
きれいに撮るだけが写真じゃないと思っていて、その瞬間の感情や、モデルさんの人の良さが伝わるような写真を撮りたいんです。
知り合いのモデルさんを撮影させてもらっているんですけど、うまく撮れてなかったら死ぬから!っていって撮らせてもらってます。笑
僕と連絡が取れなくなったときは察してくれと。もしくはお酒おごるから! ってお願いしています。笑
撮られることより作品づくりに関われることが楽しい
自分を写してもらうんじゃなくて、カメラマンさんが表現したいものを生み出せることが楽しいですね。
ただ撮られるんじゃなくて、作品づくりに関われることにワクワクします。
今はポートレート以外にもファッションやサロンモデルのお仕事もいただけるようになって。サロンなら髪型がカッコよく写るように、ファッションなら商品をうまく魅せられるように。
比率としてはポートレートが多いですけど、いろんな表現活動に関われるのはすごく面白いです。
映画監督になりたいんです。芸術学部のある大学に入学して、役者の勉強をすれば将来役立つんじゃないかと思って演劇部へ。4年間クソみたいに揉まれまくって、何度も辞めたいと思いましたね。笑
でも舞台が終わったときの達成感だったり、その瞬間しか得られない感情がすごく気持ちよくて。
もっと本気で役者の仕事に取り組みたいと思って、大学を卒業してから役者の養成所に入ったんです。
事務所も探したりしていますが、今はフリーですね。
養成所を辞めたあとは、知り合いのつてで舞台に出演したりしていました。
今も役者の仕事は続けていて、ポートレート撮影で得た経験を映画や舞台で活かせますし、役者の経験をモデルに活かせることもたくさんあります。
やっぱりマネジメントが大変ですね。すごく大変。
オーディションを受けにいったり、営業も全部ひとりでやらないといけません。それと人づてで仕事をもらえることも多いので、積極的に飲みにいきますね。
次の日、早い時間帯から撮影が入っているときはさすがにわきまえますけど、なにも予定がなければ朝まで飲んじゃうことも多いです。笑
はい、メンズモデル集団STEMのメンバーとしてラジオに出させてもらっています。
世の中にメンズポートレートをもっと広めたい! と考えているメンバーたちと、毎回あらゆるテーマでフリートークをしています。
渋谷のクロスFMで日曜日の18時から隔週で放送中なので、ぜひ聞いてみてほしいです。
頬やもみあげ周辺には生まれつきヒゲが生えない
そうですね……、あまりこだわりはないかもしれません。
シャンプーとリンスはちゃんとしてますけど、近所のドラッグストアで安かったものを使ってますし。笑
一応、ノンシリコンシャンプーを使ってるくらいかな。
スキンケアは化粧水をつけるくらいですけど、ニキビや肌荒れには気をつけています。
今ってパソコンやスマホで簡単に加工できますけど、カメラマンさんに余計な手間をかけさせたくないんです。
自分が写真を撮るときは、色味をちょっといじるくらいで、ほかはなにも加工しない写真が一番いいと思っているので。だからこそ肌はきれいな状態を保ちたいです。
撮影時の服装は、カメラマンさんの撮りたいイメージに合わせて考えています。個人的にはRUDE GALLERYの服が好きですね。
実はこれといった手入れってしてなくて。頑張って伸ばしたのが今の状態なんです。
さすがに伸びすぎたかな、と思ったときは文房具屋で買ったハサミで程よくカットしてます。笑
ほっぺたとかもみあげ周辺は、昔から全然ヒゲが生えなくて。口の周りとアゴにしかヒゲが生えないのは完全に遺伝ですね。父親も同じ部分しかヒゲが生えないんですよ。
爽やかなイメージの撮影を依頼されたときはヒゲを剃るんですけど、カミソリは肌が荒れるので使わないようにしています。写真でも肌荒れが目立っちゃいますし。
すね毛を処理するときは痛くてもガムテープ派
役者のお仕事だと、いただいた役によってはすね毛を処理することもあります。
たとえば以前、舞台で子どもの少年時代を演じることがあって、衣装として短パンをはいたんですよ。少年を演じているのに、すね毛がモサモサ生えていると違和感があるじゃないですか。
役を演じるうえですね毛が邪魔だと思ったときは、ガムテープで頑張って処理してます。
超痛いんですけど。笑
抜けるまで頑張ります。笑
カミソリは肌が荒れたり、ケガをすることも多かったので、自分はガムテープ派ですね。
知性的でもあり、野性的でもあるような女性が好きですね。
有名な方だとオノ・ヨーコさん、草間彌生さん、コシノジュンコさんはすごく尊敬しています。
うまく表現できないんですけど、自分を貫く生き様みたいなものに惹かれますね。
あらたな表現に挑戦して、たくさんの人に知ってもらいたい
今まで出会えた人たちって、ほんとうに素晴らしい人たちばかり。もっと付き合いを深めたり、新たな人とも出会ったり。そのなかで生まれる新たな表現を、もっとたくさんの人に知ってもらいたいです。
役者としても、モデルとしても、たくさんの映画や写真作品を作り上げて、多くの人に見てもらいたい。
InstagramやTwitterでも作品は見てもらえますが、やっぱり流れていっちゃうものなので。展示だったりブックなど、残せるものを増やしていきたいですね。
それと僕を知ってもらうんじゃなくて、僕を撮ってくださった素敵なカメラマンさんたちを知っていただけるような、そんな活動をしていきたいと考えています。